Apple VS Epic Game の戦いがマジでヤバイ。
フォートナイトがストアから削除された・・・なんてのは序の口。
このまま推移すると、ほとんどのモバイル版3Dゲームがストアから消えてしまう危機・・つまり、多くのゲーム会社が死ぬ可能性がある
発端
以下、Wikiから引用します。
2020年8月にEpicはAppleとGoogleに訴訟を起こした。この問題の元になったのはAppleが規約違反としてApp StoreからFortniteを削除した事から始まる。
この背景には、Epicがモバイル版FortniteでAppleなどからの手数料を迂回するための独自の課金システム「Epic Direct Payment」の実装とゲーム内通貨「V-Bucks」の実質的な値下げを発表[3]。しかし、Appleはアプリ内の課金での一切の迂回を規約で認めていない。
尚、訴状ではEpic GamesはAppleのデバイス上でのアプリはApp Storeを経由しなければ正当な利用ができない、アプリ内課金での手数料30%の仕組みは「反競争的な拘束と独占的慣行を使用している」として批難した。又、Google Playからも削除されたためGoogleにも訴訟を起こした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Epic_Games#訴訟問題
ということで、AppleやGoogleが認めていない、ストア外での手数料回避のための独自課金を実装したことが発端です。
Appleの言い分
Appleの言い分としては”規約違反”ということをあげています。
ただ、私の個人的な意見としては
Appleのストア内でしか販売・課金を認めないというのは、そもそも独占禁止法に違反しないのか?という疑問はあります。また、手数料30%は妥当なのかというのも意見が分かれるところでしょう。
そもそも、この規約にはいろいろ無理がありそうです。
例えば、クロスプラットフォームのゲームはどうなるんだ?とか、課金があるゲームをほかのOSの端末に引き継ぐのはだめなんじゃない?とか・・・
クロスプラットフォームはちょっとよくわからないかったのですが、例えば、もともとブラウザゲームだった艦これが、アプリで出せなかったのはこのせいでしょう。
一応、Android版はありましたが、ストア経由ではなく、デバッグモードにして無理やりインストールしたランチャー経由で起動していました。
また、端末の引継ぎ(iOS->Androidとかその逆とか…)は、大体のゲームでできるようですが、厳密にはNGのような気がします。黙認されているんでしょうね。
ほかにも、iOS上では、アマゾンのアプリから、kindleの電子書籍は買えません。知ってました?試してみてください。ちなみに、ブラウザからは買えます。
因みに、Android版では買えるようになっています。(Androidの場合は電子書籍は除外はされているみたいです。何年か前に揉めてたので、多分その時に除外されたのかなと思いますが)
あとは、ストリーミング系はどうなんだろう?
Youtubeとかネットフリックスとか、abemaTvとかDアニメストアみたいなやつですね。アプリありますけど…いいんでしょうか?
ただ単に、ほかの端末で見たいだけなのに余計に料金とられるとなるとさすがにおかしいだろ!ってなりますよね?
ストア外課金って、厳密にみると、腑に落ちないところが多いんですよね。
Epicの言い分
手数料30%が高すぎる。
というのが、主な主張かと思います。
ですが・・・本当にそれだけ?
Epic自体はアメリカの会社ですが、株式の40%はテンセントという会社が所有しています。この会社、中国の企業です…。つまり、中国政府の管理下にあります。
現在、アメリカと中国は貿易戦争の真っ最中。アメリカは、個人情報保護の観点から、TickTokなどの中国製アプリの排除を進めており、今回の一件はその報復なのでは?という見方があります。
実際、そうなのかどうかは何とも言えませんが、そのように勘繰られても仕方がない状態です。
争いはさらに泥沼へ…
そして、この問題は単なる会社同士のいざこざから業界全体を揺るがす問題に発展しつつあります。
Apple removed Fortnite from the App Store and has informed Epic that on Friday, August 28 Apple will terminate all our developer accounts and cut Epic off from iOS and Mac development tools. We are asking the court to stop this retaliation. Details here: https://t.co/3br1EHmyd8
— Epic Games Newsroom (@EpicNewsroom) August 17, 2020
AppleはEpicのiOS開発アカウントを、”規約違反”を理由に削除すると発表しました。
Epic GamesはUnreal Engineというゲームエンジンを各ゲーム会社に供給して、多くのモバイルの3Dゲームはこのエンジンで動いています。
つまり、Unreal EngineのiOSサポートが無くなってしまうことを意味し、ひいてはUnreal Engineを用いたゲームは、今後リリースが不可能になる可能性が出てきました。
今後の見通し
今後の見通しについては不透明です。
また、ある程度勝算があってやっているのかも気になるところではあります。
ちなみに、ゲームエンジンの件について、現行バージョンのUnreal Engine4については、オープンソースなので、技術力さえあれば最悪AppleやEpicの支援がない第三者の会社でもなんとかならないことはない・・かもしれません?開発がめんどくさいことになるのは間違いないですがね。
ただ、来年あたりに出るUnreal Engine5に関してはかなりの影響が出そうではあります。
Unreal Engine自体、大して儲かるものではなく、権利自体うっぱらっちゃうという可能性も無きにしも非ず。まぁ、買い手がいるかどうかは謎ですが。買うとしたら・・うーん。マイクロソフトかなぁ?NVIDIAはお門違いだし、Facebook、Amazonあたりも興味ないだろうし。ワンちゃんSonyはあるかもしれませんが、そんな金ないだろうなぁ。中国企業は・・・やめてほしい。親会社なら余裕で買えそうだが・・。
そもそも、今回の事態はEpicは最初から想定できたはずです。
Unreal Engineの供給不可能になれば、多くのゲーム会社が大損害を受けるため、大多数のゲーム会社が味方に付いてくれると踏んだのか…。
それとも、中国共産党の意向でいやいややらされているのか…何とも言えないところです。
少なくとも、Epicの開発者アカウントと開発ツールの削除に関しては、差し止めが通るんじゃないかなぁ?と思っています。アカウントはともかく、開発ツールを使えなくするのはさすがに無茶苦茶ですし影響が大きすぎます。それに、先にも述べたように、オープンソースなので、回避手段はいくらでもありそうです。Unreal Engine使ってるアプリはAppStoreへの出品認めない!とかなったら、さすがにゲーム会社もApple訴えざるを得なくなるでしょう。だって、そんな規約ないですから。そうなれば、さすがのAppleも100%負けると思います。
まぁ、通っちゃったらそれはそれでEpic側の手札が減るという見方もありますがね。
果たしてどうなるのか?今後の展開が気になります。